教科書を蛍光ペンで塗ったのに、テストになると中身が出てこない。そんな経験はありませんか。蛍光ペンのデメリットは、ペンそのものより「引いただけで覚えた気になること」にあります。ここでは、蛍光ペンを使うときに出やすいデメリットと、それを減らす引き方を紹介します。
蛍光ペンのいちばんのデメリットは覚えた気になること
蛍光ペンで線を引く作業は、手は動いていても、頭では覚えようとしていないことが多いです。
教科書をカラフルに塗っていくと、ページがきれいになって「たくさん勉強した」という気分になります。でも、線を引いただけでは、その中身を思い出す練習を1回もしていません。
アメリカの心理学者が10種類の勉強法を比べた研究でも、線を引くだけの勉強法は効果が低い側に入っています。読み返しと同じく、見て分かった気になるだけで、テストで書ける力にはつながりにくいからです。
とくに、テスト前に教科書を塗る作業から始める人は気をつけてください。塗り終わるころには時間がなくなって、問題を1問も解かないままテストの日を迎えることになりがちです。
蛍光ペンを引きすぎると大事なところが埋もれる
1ページのほとんどに蛍光ペンが引いてあると、どこも強調していないのと同じになります。
蛍光ペンは「ここが大事」と目印を付けるためのものです。ところが、読みながら気になったところに全部引いていくと、ページの半分以上が色で埋まってしまいます。
そうなると、見返したときに本当に覚えるべき1行が見つかりません。人が一度に向けられる注意の量は決まっているので、強調するところが増えるほど、1か所あたりに向ける注意が減ってしまいます。
| 1ページに引いた量 | 見返したときの状態 |
|---|---|
| 1〜3か所 | どこが大事かすぐ分かる |
| 5〜6か所 | 色ごとの意味を思い出しながら読むことになる |
| ページの半分以上 | どこが大事か分からず全部読み直すことになる |
目安として、教科書1ページにつき蛍光ペンは3か所までにしておくと、見返したときに迷いません。
にじみや裏写りなど蛍光ペンの使い心地のデメリット
蛍光ペンには、勉強のしかたとは別に、インクやペンの形からくる使いにくさもあります。
どれも少し気をつけるだけで防げるものなので、よくある4つを順番に見ておきましょう。
ボールペンの字の上に蛍光ペンを引くとにじむ
水性ボールペンやゲルインクのボールペンで書いた字は、乾く前に蛍光ペンを重ねるとインクが伸びて、字がにじみます。ノートが黒く汚れて読みにくくなる原因です。
書いてすぐに蛍光ペンを引かず、数分おいてインクが乾いてから引くと、にじみはかなり減ります。にじみにくい蛍光ペンもあるので、ボールペンでノートをとる人は表示を見て選ぶと安心です。
薄い紙に蛍光ペンを引くと裏写りする
辞書や薄いプリントに蛍光ペンを引くと、インクが紙の裏まで染みて、裏のページの字が読みにくくなることがあります。
ペン先を紙に強く押しつけたり、同じところを何度もなぞったりすると、染みやすくなります。薄い紙には、1回でさっと引くようにしましょう。
時間がたつと色があせる
蛍光ペンのインクは、日光や蛍光灯の光に長く当たると色が薄くなっていきます。窓ぎわの机に教科書を開いたまま置いておくと、数か月で線が見えにくくなることもあります。
受験まで何年も使う参考書は、使わないときは閉じて本棚にしまっておくと色が残りやすいです。
色を変えるたびに持ち替えが必要になる
重要語は黄色、人の名前はピンク、のように色を分けていくと、そのたびにペンを持ち替えることになります。5色、6色と増えると、ペンケースもすぐにいっぱいです。
1本で2色使える蛍光ペンもありますが、色を増やすほど持ち替えの手間も、色の意味を覚える手間も増えます。
蛍光ペンのデメリットを減らす引き方は3ステップ
蛍光ペンは「1回目は引かない」「2回目に3か所だけ引く」「引いたところを隠して思い出す」の3ステップで使うと、デメリットがぐっと減ります。
- ステップ1 最初に読むときは蛍光ペンを持たずに、章の終わりまで読み切る
- ステップ2 2回目に読むときに、テストに出そうな語句や文だけに1ページ3か所まで引く
- ステップ3 引いたところを手や紙で隠して、言えるかどうか確かめる
1回目から蛍光ペンを持っていると、まだ全体が分かっていないので、何が大事か決められずに引きすぎてしまいます。先に最後まで読むと、何度も出てくる語句や、まとめに書かれている文が自然と分かります。
いちばん大事なのはステップ3です。線を引いた部分を隠して言えなければ、そこはまだ覚えていません。言えなかったところだけ、もう一度読み直しましょう。
この3ステップなら、1ページに使う蛍光ペンの時間は1分もかかりません。塗る時間が減ったぶん、隠して思い出す時間や問題を解く時間に回せます。
暗記したい語句は蛍光ペンより赤シートで隠すのがおすすめ
用語や年号のように「答えを言えるか」を確かめたい内容は、蛍光ペンで塗るより、赤シートで隠せる形にしておくほうが覚えやすいです。
蛍光ペンは、塗ったところが目立つだけで、答えは見えたままです。見えている答えを読んでも、思い出す練習にはなりません。
暗記用には、オレンジや赤のペンで語句を書いて赤シートで隠すやり方や、黒い字の上に緑のマーカーを引いて赤シートで黒く見えなくするやり方があります。どちらも、隠して思い出す練習がすぐにできるのが良いところです。
| 覚えたいもの | 向いている方法 |
|---|---|
| 英単語や用語の意味 | 赤シートで隠して言えるか確かめる |
| 文章の流れや理由の説明 | 蛍光ペンで要点の1文に引いて自分の言葉で言い直す |
| 見返すときの目印 | 蛍光ペンで1ページ3か所まで引く |
蛍光ペンは「どこを読み返すか」の目印、赤シートは「覚えたかどうか」を確かめるもの、と分けて使うと迷いません。
蛍光ペンの色は2色までにすると続けやすい
蛍光ペンの色は、たくさん使い分けるより、2色までにしたほうが長く続けられます。
色のルールを細かく決めると、引く前に「これは何色だっけ」と考える時間が増えて、勉強の中身より色分けに気をとられてしまいます。見返したときも、色の意味を思い出すところから始めることになります。
おすすめは、テストに出そうなところは黄色、自分が間違えたところはピンク、の2色だけにするやり方です。間違えたところが色で分かると、テスト前にそこだけ見直せます。
蛍光ペンは、引く量と色の数をしぼるだけでデメリットの多くが減ります。次に教科書を開くときは、まず1回目は蛍光ペンを置いたまま読み切るところから始めてみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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