ノイズキャンセリングヘッドホンを買ったのに、思ったより静かにならない。
そう感じる人の多くは、ノイキャンで消える音と消えない音を知らないまま選んでいます。
ここでは、ノイズキャンセリングヘッドホンの選び方を、使う場所と音の種類から順に紹介します。
読み終わるころには、自分が何を優先して選べばいいかが決まります。
ノイズキャンセリングヘッドホンで消えやすいのは低くて続く音
ノイキャンがよく効くのは、電車の走行音やエアコンの音のように、低くてずっと続く音です。
ノイズキャンセリングは、ヘッドホンに付いたマイクで周りの音を拾います。
そのうえで、拾った音と逆の波の音を出して、耳に届く騒音を小さくする仕組みです。
一定のリズムで続く音ほど、この打ち消しが追いつきやすくなります。
反対に、人の話し声や食器の音、急なクラクションのような高い音や突然の音は残りやすいです。
- よく効く音 … 電車の走行音、飛行機のエンジン音、空調の音
- 小さくはなるが残る音 … 人の話し声、店内のBGM
- 効きにくい音 … 食器の音、キーボードの音、クラクション
つまり、ノイキャンを付けても無音にはなりません。
「騒音が半分くらいに感じる」くらいを目安にしておくと、買ったあとにがっかりせずに済みます。
通勤や通学で使うならノイキャンの強さと重さを先に見る
毎日の移動で使うなら、ノイキャンの方式と本体の重さの2つを最初に確認しましょう。
音質やデザインは、この2つで候補を絞ってから比べれば十分です。
ノイキャンの方式はハイブリッド式が効きやすい
ノイキャンには、マイクを付ける場所によって3つの方式があります。
- フィードフォワード式 … 外側のマイクで周りの音を拾う
- フィードバック式 … 耳の近くの内側のマイクで、耳に届いた音を拾う
- ハイブリッド式 … 外側と内側の両方のマイクを使う
両方のマイクを使うハイブリッド式は、打ち消しの精度が高くなりやすいです。
電車やバスの音をしっかり小さくしたいなら、商品ページで「ハイブリッド」と書かれているかを見てください。
重さは250g前後が長く着けていられる目安
ノイキャンヘッドホンの重さは、軽いもので150g台、重いものでは300gを超えます。
250g前後なら、長い時間着けても首や頭が疲れにくいとされています。
片道1時間以上の通勤なら、重さに加えて側圧(頭をはさむ力)も大事です。
側圧が強いと遮音性は上がりますが、30分ほどでこめかみが痛くなる人もいます。
ノイキャンの強さを変えられるかも確認
最近のモデルは、専用アプリでノイキャンの強さを何段階かに変えられるものが増えています。
周りの音に合わせて自動で強さを変える機能が付いたモデルもあります。
ノイキャンを強くすると耳がつまった感じがする人は、強さを変えられるモデルを選ぶとラクです。
バッテリーは何時間あれば足りる?
ノイキャンをオンにした状態で30時間以上使えれば、通勤や通学なら週に1回の充電で足ります。
ノイキャンは、オフのときより電池を多く使います。
そのため、商品ページの再生時間は「ノイキャンオン」と「オフ」の2つが書かれていることが多いです。
見るのはオンのほうの数字です。
往復2時間の通勤を週5日すると、1週間で10時間ほど使います。
30時間なら、充電を忘れた週があってもバッテリー切れになりにくい計算です。
もう1つ見ておきたいのが急速充電です。
10分から15分の充電で数時間使えるモデルなら、出かける前に気づいたときでも間に合います。
音質はスマホに合うコーデックで決まる
ワイヤレスの音質は、ヘッドホンとスマホの両方が対応しているコーデックで決まります。
コーデックとは、Bluetoothで音を送るときのデータの形式のことです。
| コーデック | 対応している主なスマホ | 向いている人 |
|---|---|---|
| SBC | ほぼすべて | 音質にこだわらない人 |
| AAC | iPhone、多くのAndroid | iPhoneを使っている人 |
| LDAC、aptX Adaptive | 対応している一部のAndroid | 高音質で聞きたいAndroidの人 |
iPhoneはLDACとaptXに対応していません。
iPhoneで使うなら、AACに対応していれば十分です。
Androidの人は、自分のスマホがLDACやaptX Adaptiveに対応しているかを先に調べてください。
スマホが対応していなければ、ヘッドホン側が対応していても音質は上がりません。
勉強に使うなら人の声は残ると知っておく
カフェや自習室で勉強に使うなら、ノイキャンだけで話し声を消すのは難しいと考えておきましょう。
最初に紹介したとおり、人の声はノイキャンが効きにくい音だからです。
話し声が気になる場所では、次の使い方をする人が多いです。
- ノイキャンをオンにして、空調や車の音など低い音を先に消す
- 小さめの音量で、歌詞のない音楽や雨の音などの環境音を流す
- それでも気になるときは、席を壁側や窓側に変える
ノイキャンで低い音を減らしておくと、環境音の音量を上げずに済みます。
音量を上げすぎないことは、耳を守るうえでも大事です。
音楽を流さず、ノイキャンだけをオンにして使うこともできます。
家で集中したいときは、この使い方で十分なこともあります。
買う前に店頭で試すときの5ステップ
ノイキャンの効き方と着け心地は、店頭で5分ほど試すだけでかなり分かります。
家電量販店やヘッドホン専門店には、試聴できる機種が置いてあることが多いです。
- 自分のスマホとふだん聞いている曲を用意する
- ヘッドホンを着けて、ノイキャンをオンとオフで何度か切り替える
- 店内のBGMや人の話し声が、オンでどれくらい残るかを聞く
- そのまま5分ほど着けて、こめかみや耳の痛みがないかを確かめる
- 外音取り込みに切り替えて、近くの人の声が聞き取れるかを確かめる
店内は電車の中より騒音が少ないので、ノイキャンの差は小さく感じます。
オンとオフを切り替えたときに、空調の音がどれだけ小さくなるかに注目すると違いが分かりやすいです。
メガネをかけている人は、メガネをかけたまま試してください。
つるの部分で隙間ができると、ノイキャンが効きにくくなることがあります。
迷ったら使う場所で優先する項目を決める
ノイズキャンセリングヘッドホンは、いちばん長く使う場所を1つ決めると、見るべき項目が絞れます。
| いちばん使う場所 | 先に見る項目 | 次に見る項目 |
|---|---|---|
| 電車やバスでの通勤、通学 | ハイブリッド式か | 重さ、外音取り込み |
| 飛行機や新幹線での長い移動 | ノイキャンオンの再生時間 | 有線対応、側圧 |
| カフェや自習室での勉強 | 着け心地、強さの調整 | 音漏れの少なさ |
| 家での勉強や在宅ワーク | 着け心地、重さ | マルチポイント対応 |
マルチポイントとは、スマホとパソコンなど2台に同時につないでおける機能です。
オンライン授業とスマホの両方で使う人は、あると切り替えの手間が減ります。
外を歩くときは、外音取り込みに切り替えて車や自転車の音が聞こえる状態にしましょう。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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