ノイズキャンセリングヘッドホンを着けたのに、隣の人の話し声がまだ聞こえる。そう感じて「強さが足りないのかな」と調べている人は多いです。
実は、ノイズキャンセリングの強さは音の種類によって大きく変わります。消えやすい音と残りやすい音があり、どこで差が出るかを知っておくと、選ぶときも使うときも迷いにくくなります。
強さの仕組みと数字の読み方、勉強中にちょうどいい強さの決め方まで、順番に見ていきます。
1. 強さの差が出るのは電車やエアコンの低い音
ノイズキャンセリングがいちばん効くのは、電車の走行音や飛行機のエンジン音、エアコンの運転音のような、低くて一定に続く音です。
ソニーの公式サイトでは、ノイズキャンセリングは人の耳が聞き取りやすい40〜1,500Hzの騒音を減らす機能だと説明されています。強いモデルと弱いモデルの差がはっきり出るのは、この帯域の中でも低い音です。
ポイント1 人の声は低い音より残りやすい
話し声は、低い音より高い成分を多く含みます。そのため、強いモデルでも声は小さくなるだけで、ゼロにはなりません。
比較記事の多くも、電車の音は大きく減るが、会話は少し残ると書いています。声が聞こえるのは故障ではないので安心してください。
ポイント2 急に鳴る音は消しにくい
ドアが閉まる音や食器がぶつかる音のように、急に鳴って急に止まる音は、打ち消す音を作るのが間に合いにくいです。
こうした音は、イヤーパッドで耳をしっかり覆うことで減らす部分が大きくなります。
ポイント3 風の音は別の対策が必要
屋外で風がマイクに当たると、ゴーッという音が逆に目立つことがあります。
風の音を抑える設定があるモデルもあるので、外でよく使う人は仕様表で確かめておくと安心です。
2. 強さを決めるのはマイクの数と耳への密着
ノイズキャンセリングは、マイクで周りの音を拾い、その音と逆の波形の音を出して打ち消す仕組みです。強さを左右するのは、マイクの数と置き方、それにイヤーパッドがどれだけ耳に密着しているかです。
マイクの置き方には大きく分けて3つの方式があります。
| 方式 | マイクの位置 | 強さの傾向 |
|---|---|---|
| フィードフォワード | ハウジングの外側 | 外の音を早く拾えるが耳の中の音は拾えない |
| フィードバック | ハウジングの内側 | 耳に届く音を拾って直せるが高い音は苦手 |
| ハイブリッド | 外側と内側の両方 | 両方を組み合わせるので強くしやすい |
強さを重視する比較記事では、ハイブリッド方式のモデルが上位にそろっています。
マイクの数も目安になります。上位モデルでは片側に複数のマイクを積み、左右合わせて8個や12個のマイクで周りの音を拾っているものがあります。
もう1つ見落としやすいのが密着です。メガネのつるや髪の毛でイヤーパッドに隙間ができると、同じモデルでも効きが落ちます。店頭で試すときは、ふだんのメガネを掛けたまま着けてみてください。
3. dBの数字だけで強さは比べられない
商品ページには「最大〇dB低減」のような数字が書かれていることがあります。ただ、この数字はメーカーごとに測り方が違うため、別のメーカーどうしを数字だけで比べるのはおすすめしません。
どの周波数で測ったのか、どんな騒音で測ったのかが書かれていない場合がほとんどです。
比較サイトの検証も、数字ではなく「電車の音がどれだけ減ったか」「人の声がどれだけ残ったか」を点数で評価している形が多いです。
数字より役に立つ見方
- 使う場所の音を思い浮かべる(電車の音か、人の声か、エアコンの音か)
- その音について書かれたレビューを探す
- 店頭で試せるなら、周りがうるさい売り場でオンとオフを切り替える
オンとオフの差を自分の耳で確かめるのが、強さを知るいちばん早い方法です。
4. 強さは自動かアプリで変えられる
最近のモデルは、ノイズキャンセリングの強さを1つに固定していないものが多いです。周りの音に合わせて自動で強さを変える機能か、アプリで段階を選ぶ機能があれば、場所ごとにちょうどいい強さにできます。
強さの変え方は大きく3通り
- 自動で変える … 周りの騒音や装着の状態を検出して、効き方を切り替える
- 段階で選ぶ … 弱めから最大まで、数段階の中から選ぶ
- アプリで細かく決める … スマホの専用アプリで、強さや外音取り込みの量を調整する
ソニーのアプリには、装着の状態と周りの気圧を検出して、ノイズキャンセリングを合わせ直す機能があります。飛行機の中のように気圧が変わる場所で使う人は、こうした機能があるかも見ておくといいです。
外音取り込みの量を調整できるモデルなら、駅のアナウンスだけ聞きたいときにも使い分けられます。
強さを変える機能がないモデルは、オンとオフの2つしか選べません。家でも電車でも同じ強さになるので、圧迫感が苦手な人は、段階を選べるモデルを候補にしておくと後がラクです。
5. 強くしすぎると耳の圧迫感が出ることがある
ノイズキャンセリングを強くすると、耳がふさがったような、気圧が変わったような感じがする人がいます。この圧迫感が気になるときは、強さを1段階下げるか、自動調整に切り替えると和らぐことが多いです。
感じ方には個人差があり、同じモデルでもまったく気にならない人もいます。
ソニーのサポートページでも、長い時間使い続けず、ときどき休憩を入れるように案内されています。
もう1つ気をつけたいのが、周りの音が聞こえにくくなることです。歩きながらや自転車に乗りながら使うと、車の音に気づきにくくなります。自転車でのヘッドホンの扱いは都道府県の決まりで違うので、住んでいる地域の案内を確かめてください。
6. 勉強中は最大より少し弱めで人の声だけ落とす
勉強に使うなら、いつも最大の強さにする必要はありません。家や自習室なら、エアコンの音と遠くの話し声が気にならなくなる程度の強さで十分です。
最大にすると静かにはなりますが、圧迫感で1時間もたずに外したくなる人もいます。集中が続くほうを選びましょう。
場所ごとの強さの目安
| 勉強する場所 | 気になる音 | 強さの目安 |
|---|---|---|
| 自分の部屋 | エアコンや家族の生活音 | 弱めか自動 |
| 図書館や自習室 | 空調とページをめくる音 | 弱めか自動 |
| カフェやファミレス | 話し声と食器の音 | 最大に近い強さ |
| 電車やバスの中 | 走行音とアナウンス | 最大に近い強さ |
音楽を流さずにノイズキャンセリングだけ使う
ノイズキャンセリングは、音楽を流さなくても働きます。歌詞のある曲で集中が切れる人は、無音のままノイズキャンセリングだけオンにする使い方がおすすめです。
音楽を流す場合も、周りの音が減っているぶん、ふだんより小さな音量で聞こえます。音量を上げすぎないようにしてください。
休憩のたびに外す
50分勉強したら10分休む、のように区切っている人は、休憩のたびにヘッドホンを外しましょう。耳を休ませると、次に着けたときの圧迫感も出にくくなります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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