ブックスタンドを買って本を立ててみたのに、首が楽にならない、ページをめくるたびに手が止まる。原因はスタンドそのものではなく、置く位置と角度、ページ押さえの掛け方にあることがほとんどです。書見台の使い方の基本は、机の奥に置く、本の面を45度前後に立てる、目から30cm以上離す、この3つです。ここに本をセットする手順、ノートやパソコンと並べる配置、押さえの跡を残さない掛け方、向く本と向かない本を足せば、買ったその日から勉強に使えます。
基本は机の奥に置き、45度に立て、目から30cm離す
ブックスタンドの使い方で先に決めるのは、置く位置、角度、目との距離の3つです。スタンドは机の奥に置き、本の面を45度前後に立て、本から目を30cm以上離すのが基本の形です。文具メーカーのレイメイ藤井は、自社の書見台について、角度調整パーツを45度の印に合わせると正しい姿勢を保つ角度になる、本から目を30cm以上離し、本押さえでしっかり固定して使う、と案内しています。
机に本を平らに置くと、頭が前に倒れて首と肩に力が入ります。本を立てて目の高さに近づけると、頭を起こしたまま読めるので、首と肩の負担が減ります。上位の記事が共通して挙げている利点は、この姿勢と、両手が空くことの2つです。
45度はあくまで目安で、そこから体に合わせて動かします。座って背筋を伸ばし、あごを引いた状態で本の中心が見える角度が、その机と椅子に合う角度です。目線が下がりすぎるなら角度を立て、光が紙に反射してまぶしいなら少し寝かせます。
距離は、腕を軽く伸ばして指先が本に届くくらいが目安で、これで30cm以上は取れます。近すぎると目が疲れ、遠すぎると文字を追うために体が前に出ます。机の手前に置く人が多いのですが、それだと距離が足りず、目線も下がるので、奥に置くことから始めてください。
本をセットする手順は5つ
本を立てる順番を決めておくと、毎回迷わず、本を落とすこともなくなります。支えを立てる、受けに本を乗せる、押さえを掛ける、角度を合わせる、めくる側の押さえだけ外す、この順で進めます。
- 背面の支えを立て、机の奥に置く。段階式なら真ん中の段、無段階なら45度くらいから始めます。
- 本を開き、下の縁を受けに乗せる。背表紙が受けの中心に来るようにすると、左右に傾きません。
- ページ押さえを左右の余白に掛ける。文字に掛からない下の余白に、両側とも掛けます。
- 椅子に座り、角度を合わせる。あごを引いたまま本の中心が見える角度にし、目線が下がるなら支えを1段立てます。
- めくるときは、めくる側の押さえだけを外して戻す。両方外すと本が閉じるので、片方ずつにします。
厚い本は、押さえを本の外側に広げて掛けると、開いたページが浮きません。押さえの位置を変えられるスタンドなら、本の厚みに合わせて広げてから本を乗せると、あとから直す手間が省けます。
読み進めてページの厚みが左右で変わると、本が片側に傾きます。半分ほど読んだところで、いったん本を持ち上げて受けの中心に置き直すと安定します。
ノートは手前、パソコンとは紙面の高さをそろえる
勉強でブックスタンドを使うなら、本だけでなく、ノートやパソコンとの位置関係を決めておきます。ノートを取るならスタンドを机の奥、ノートをその手前に置き、パソコンと並べるなら画面と紙面の高さをそろえるのが、目線の移動を一番少なくする置き方です。
ノートを取る場合は、本の下の縁とノートの上の縁を近づけます。本を見てからノートに書くまでの目の動きが短くなり、書き写しの行を見失いにくくなります。利き手側にスタンドを置くと書く手と本がぶつかるので、右利きなら左寄り、左利きなら右寄りに置きます。
パソコンと並べる場合は、高さの差が問題になります。机に置くだけのスタンドだと紙面が画面より低く、画面と紙面を行き来するうちに前かがみになって肩がこわばった、という声があります。高さを上げられる型で、紙面の中心を画面の中心に近づけると、目線の上下が減ります。高さの調節が付いた型には、台から18cmほど持ち上げられる製品や、34cmまで上がる製品があります。
タブレットで動画の講義を見ながら紙のテキストを読む場合も同じで、画面と紙面の高さをそろえます。タブレットを立てるときは、ページ押さえを画面に当てず、受けに乗せるだけにします。
立って使う台所や、椅子ではなく床に座る場面では、机の上の高さと目の高さの差が大きくなります。自立型のように床から高さを取れる型を使うか、机の上に置いた箱の上にスタンドを載せるかで、本の中心を目の高さの少し下に持っていきます。
ページ押さえは余白に掛け、跡が心配なら直立型
ページ押さえの掛け方で、読みやすさと本の傷み方が変わります。押さえは文字に掛からない下の余白に掛け、借りた本や大事な本には、押さえる力の弱い直立型を使うのが基本です。
押さえには2つの形があります。紙面を上から押さえ込む形は、固定する力が強く、読んでいる途中でページが勝手にめくれません。その代わり、長時間掛けたままにすると、先端のゴムやプラスチックの跡が紙に残ることがあります。棒を立てて本の縁だけを止める直立型は、力が弱いぶん軽くめくれて、跡も付きにくく、図書館で借りた本に向いています。
押さえ込む形を使うなら、席を立つときに押さえを外します。使っている人からも、クリップが強すぎると感じたので大切な本は離れるときに外している、という声があります。先端がシリコンの製品や、先端に金属の球が入っていて紙の上を転がる製品なら、跡が付きにくく、めくる動きも軽くなります。
薄い紙の辞書や、コピー用紙の資料は、押さえ込む形だと紙が波打つことがあります。資料はクリアファイルに入れたまま立てるか、直立型で縁だけ止めると、紙を傷めません。
参考書と辞書には向き、文庫の小説には向かない
ブックスタンドは、どんな本でも読みやすくなる道具ではありません。同じページを開いたまま手を動かす参考書や問題集、辞書、楽譜、レシピには向き、次々にめくる文庫の小説には向かないと考えてください。
勉強で使う参考書や問題集は、1ページを見ながらノートに書く時間が長いので、押さえで固定しておく利点がそのまま出ます。単語帳を開いたまま声に出して覚える、英文を見ながら書き写す、といった使い方では、本を手で押さえる必要がなくなり、書く手と読む目に集中できます。
反対に、小説を最初から最後まで読み進める使い方では、ページをめくるたびに押さえを外す手間が増えます。実際に竹製のスタンドを買った人が、小説を読み進める自分の読み方には合わず、文庫本にはスタンドが大きすぎた、と書いています。文庫を読むなら、手で持つか、文庫に合う小さい型を選ぶほうが楽です。
本の厚さにも上限があります。折りたたみの小さい型には、対応する厚さが25mm以内の製品があり、辞書のような厚い本は押さえが届きません。厚い本を立てるなら、対応する厚さが40〜50mmある製品を選びます。目安として、縦20cm、横30cmほどの板があればA4サイズまで置けて、5cmの厚みに対応していれば500ページを超える本も立てられます。
タブレットやノートパソコンも立てられますが、すべての製品が対応しているわけではありません。何インチまで、何kgまでと書かれた数字を確かめてから載せてください。
素材と型は、置く場所と本の重さで決める
これから買う人、2台目を考えている人は、素材と型を「どこで使うか」「どれくらい重い本か」で決めます。机に置きっぱなしで厚い本なら木か金属の置き型、持ち運ぶなら樹脂の折りたたみ、目の高さまで上げるなら自立型か高さ調節付きが目安です。
| 素材や型 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 木と竹 | 机に置きっぱなし、辞書や厚い本 | 重い。水に弱く台所には向かない |
| 樹脂(プラスチック) | 持ち運び、子どもの勉強、台所 | 軽いので厚い本で倒れやすい。水拭きできる |
| 金属 | 角度をよく変える、高さを上げたい | 重い。鉄は水気でさびる。ステンレスはさびに強い |
| アーム型 | 机の上を空けたい、ベッドで読む | 天板の厚みに合うか買う前に確かめる |
| 自立型 | 立って使う、床に座る、譜面台の代わり | 大きく重い。使わないときに場所を取る |
木と竹は板の重さで安定するので、辞書や図鑑を立てても倒れにくいです。ただし重く、水に弱いので、飲み物のそばや台所では使いません。樹脂は軽くて折りたためて、汚れても水拭きできます。台所でレシピ本を立てるなら樹脂かステンレスにします。
アーム型は、クランプで机やベッドの枠に留めます。机の上が空くのは利点ですが、天板の厚みが合わないと固定できません。自立型は床に置いて高さを変えられるので、座っても立っても目の高さに合わせられますが、大きくて持ち運びには向きません。
角度の段階数は、5段階の製品から13段階、無段階まであります。机と椅子の組み合わせが決まっている人は5段階で足り、机を変えて使う人や、パソコンと高さを合わせたい人は、段階が多い型か無段階の型が合わせやすいです。
首が楽になったかを、その日のうちに確かめる
ここまでの使い方を一度にやろうとせず、机の奥に置いて45度に立て、30cm離す、この3つだけ先にやってみてください。30分ほど勉強して、いつもより首と肩が楽で、ページを押さえる手が要らなかったなら、置き方は合っています。楽になっていないなら、角度と距離のどちらかがずれています。
目線が下を向いていると感じたら、支えを1段立てるか、スタンドの下に本を1冊敷いて高さを足します。文字が小さく見えるなら、距離が遠すぎるので、スタンドを手前に5cmずつ寄せます。この調節は1回決まれば、次からは同じ位置に置くだけです。
ノートを取る勉強なら、本の下の縁とノートの上の縁を近づける置き方も、同じ日に試してください。書き写しで行を見失う回数が減れば、その配置で決まりです。パソコンと並べる人は、紙面と画面の高さの差を測り、差が大きければ高さの調節が付いた型に替えるかどうかを、ここで判断します。
ブックスタンドと書見台の使い方は、置く位置、角度、距離、押さえの掛け方の4つで決まります。買ったスタンドが合わないと感じている人も、この4つを見直してから、素材や型を替えるかどうかを決めてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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